ホールの鑑賞体験を決定づける2大要素が「視界(サイトライン)」と「音響設計」です。めぐろパーシモンホールは多目的ホールでありながら、本格的なクラシックコンサートに耐えうる音響性能を標榜して設計されています。来場者の実測データや現場検証から、その実力をエリア別に検証します。
まず、めぐろパーシモンホール座席見え方における最大の特徴は、1階席の緻密な傾斜設計にあります。1階席(全855席)は前方の数列こそ緩やかな傾斜ですが、7列目〜8列目付近から階段状の段差がしっかりと設けられており、前の座席の観客の頭が舞台中央を遮りにくい構造となっています。千鳥配置(左右に半席ずつずらす配置)と相まって、1階中央ブロック(10〜18列目)は視覚的なストレスが極めて少ない「黄金エリア」として知られています。
一方、注目が集まるめぐろパーシモンホール2階席見え方には明暗が存在します。2階席(全345席)は傾斜が鋭く取られており、舞台全体を見下ろす俯瞰的な視野は良好です。特にオーケストラの楽器配置やバレエ・ダンスのフォーメーション群舞を確認するには絶好のポジションといえます。ただし、2階席最前列(1列目)は転落防止用手すりが視界の下部に重なるため、座高や体格によっては舞台の手前側(エプロンステージ)が見えづらくなるケースがあります。手すりの干渉を避けつつ全体をクリアに捉えるなら、2階席の3〜5列目中央が実質的なベストポジションです。
続いてめぐろパーシモンホール音響評判に目を向けると、専門家やクラシック愛好家からのスコアは総じて高水準です。内装に天然木を贅沢に配したシューボックス型の変形構造を採用しており、残響時間は空席時で約1.9秒〜2.0秒、満席時でも約1.7秒前後を確保。音が拡散しすぎず、ピアノの繊細なタッチや弦楽器の倍音がホール全体に心地よく広がる「抜けの良さ」が評価されています。大音量のPAを使用するポップス公演では低音の反響コントロールが求められるものの、アコースティック系の演奏や室内楽、合唱においては都内でもトップクラスの響きを誇ります。