一族の素顔や意思決定の裏側に迫る上で、一次資料の検証は欠かせない。本人が自らの半生と対米交渉の舞台裏を明かした『岸信介回顧録』は、当時の緊迫した政治的駆け引きをリアルに伝える第一級の資料だ。そこには、自らの信念と国家の運命を重ね合わせる強い情念が記録されている。
メディアによる多角的な取材も一族の多面性を明らかにしてきた。数々の貴重な映像記録や密着取材で構成されたNHKスペシャルなどのドキュメンタリー番組は、権力の階段を駆け上がった一族の光と影を鋭く浮き彫りにしている。これらのアーカイブ映像は現在、NHKオンデマンド等でも視聴可能であり、当時の熱気と複雑な政界の裏事情を垣間見ることができる。