兄の塩屋翼と、弟の塩屋浩三。二人は共に子役としてキャリアをスタートさせ、若くして声の演技において頭角を現した。特に兄の塩屋翼は、手塚治虫原作の名作『海のトリトン』で主人公トリトン役に抜擢され、十代前半にして一躍脚光を浴びることとなる。凛とした声立ちと伸びやかな表現力は、当時の少年アニメにおけるヒーロー像を新しく塗り替えた歴史的一歩だった。
一方、弟の塩屋浩三も劇団での研鑽を経て声優の世界へ本格参入した。老舗事務所である青二プロダクションなどに所属し、重厚な悪役から温かみのある父親役、さらにはコミカルな脇役まで変幻自在に演じ分ける実力派として確固たる地位を確立。兄弟そろって日本の声優業界の基盤を築き上げてきたプロセスは、まさにアニメーション発展の歴史そのものと言える。