「よってたかって」を文章にする際、ひらがな表記を見慣れている方が多いかもしれませんが、寄ってたかっての意味と漢字を紐解くと、本来は「寄って集って」と書き記します。
この言葉を構成しているのは、「一箇所に近づく」を意味する動詞「寄る」の連用形(寄って)と、「群がる」「一箇所に大勢が寄り集まる」を意味する動詞「集る(たかる)」の連用形(集って)です。日常語における「たかる」には、他人に金品を要求して甘えるといったネガティブな用例もありますが、寄って集って 語源と由来の観点では、純粋に「小鳥や虫、人が群れをなして集約する様子」を表す動詞「集る(たかる)」が基盤となっています。
言葉の歴史は古く、精選版日本国語大辞典によれば、安永8年(1779年)に刊行された咄本(はなしぼん)『寿々葉羅井(すずはらい)』所収の「貧乏人」の中に、以下の記述が確認できます。
「大ぜい寄てたかって、無りやりにはかまをとりて」
江戸中期にはすでに「大勢で集まり、数の力を使って特定の行動を起こす」という文脈で庶民の間に浸透していた事実が窺えます。当時から単なる集合にとどまらず、「多勢に無勢」の不条理さや強引さを帯びた慣用句として使われていた点は極めて示唆的です。