華々しいバラエティでの活躍とは裏腹に、ほいけんたの芸歴は40年近くに及ぶ長い下積みと試行錯誤の歴史でした。
1965年7月7日生まれ、東京都中野区出身(本名:中井 謙吾)。若き日の彼は、驚くべきことにアクション俳優を目指して芸能界の門を叩きました。劇団青年座の研究所やアクションクラブに所属し、スタントや吹き替えをこなす日々を送っていましたが、怪我などを機にエンターテイナーへの転向を決意。その後、パントマイムやプロ級のバルーンアート、本格的なマジックの技術を独学と鍛錬で習得していきます。
全国のショッピングモール、ホテルディナーショー、地方の企業イベントなど、年間数百ステージに立つ営業の現場で腕を磨き続けたほいけんた。観客の目を一瞬で引きつけるために編み出されたのが、昭和から平成のバラエティ界の頂点に君臨する明石家さんまのモノマネでした。トレードマークの出っ歯を装着し、喉仏を極限まで引き上げて発する「引き笑い」や軽妙なトークの間合いは、単なる形態模写を超えた「憑依型」の域に達し、日本テレビの特番再現ドラマなどで長年にわたり重宝されることになります。大道芸、手品、トーク、歌と、一人でステージを成立させられる万能の職人芸こそが、現在のブレイクを支える頑強な土台となっています。