震災から15年が経過した現在、東北の沿岸部を訪れると、かつての壊滅的な爪痕から驚くべき変貌を遂げた街並みが広がっています。がれきが散乱していた平野部には、安全性を最優先した大規模な嵩上げ(かさあげ)地や区画整理された商業エリアが完成し、高台に移転した住宅地には落ち着いた生活の営みが根付いています。
特に交通インフラの進化は目覚ましく、宮城県仙台市から青森県八戸市までを結ぶ全長359キロの「三陸沿岸道路」(復興道路)は全線開通後の定着が進み、物流の効率化だけでなく観光・医療搬送ネットワークとして東北の背骨を支えています。総延長約430キロにおよぶ防潮堤の整備工事も大部分で完了し、粘り強い構造を持つ多重防御システムが構築されました。
しかし、ハード面の完成がそのまま「元の暮らしへの完全復活」を意味するわけではありません。新市街地では計画当初の想定を上回る人口流出により、未利用の空き区画が目立つエリアも存在します。「街の形は整ったが、いかに人を呼び戻し、持続可能な地域社会を維持するか」というソフト面の復興が、現在の大きな焦点となっています。