作品を象徴するフレーズであり、日本のポップカルチャー史に刻まれる安西先生 名言の筆頭が「あきらめたらそこで試合終了ですよ」です。
この言葉が最初に登場するのは、三井寿の中学時代(武石中)の県大会決勝戦です。残り時間わずかで敗色濃厚となり、ルーズボールを追う気力を失いかけた三井に対し、来賓席の安西がボールを手渡しながら静かに語りかけました。この一言によって息を吹き返した三井は逆転劇を演じ、MVPを獲得。安西という人間に心酔した三井が、強豪校からのスカウトをすべて断り、無名の湘北高校へ進学する決定的な動機となりました。
さらにこの言葉は、インターハイの絶対王者・山王工業戦において、桜木花道へ向けて再び放たれます。大差をつけられ絶望するベンチの中で、安西だけは勝利への執念を失っていませんでした。桜木をベンチに下げ、リバウンドの重要性と戦術的活路を授けた上で、「私だけかね……?まだ勝てると思っているのは」と問いかけ、名言を再び授けます。
教育心理学の視点から見ても、この言葉は単なる精神論ではありません。「結果の保証」ではなく「挑戦の継続そのものに可能性が宿る」という事実を認知させ、選手の心理的限界を打破する強力なリフレーミング(視点の転換)として機能しています。