なぜ死刑も?現住建造物等放火罪の重罪理由と未遂・執行猶予の境界線

なぜ死刑も?現住建造物等放火罪の重罪理由と未遂・執行猶予の境界線

なぜ死刑も?現住建造物等放火罪の重罪理由と未遂・執行猶予の境界線について見逃せない 事実を分かりやすく解説いたします。

Q1:誰もいない空き家だと思って火をつけたら、ホームレスの人が寝泊まりしていた場合はどうなりますか?
A1:犯人が「無人である」と誤信していた場合、主観的には非現住建造物等放火の故意しか認められないため、刑法38条2項の規定により、重い現住建造物等放火罪の既遂で処罰することはできず、原則として非現住建造物等放火罪(刑法109条)の限度で処罰されます。ただし、人の出入りがあることを認識しつつ「もしかしたら誰かいるかもしれない」と容認していた(未必の故意)と認定されれば、現住建造物等放火罪が問われます。

Q2:アパートの自室で自殺しようとして火をつけた場合でも、この罪に問われますか?
A2:問われます。自室であっても、壁や天井でつながった同じ建物内に他の住人が住んでいる集合住宅の場合、建物全体が「現に人が住居に使用している建造物」と法的に判断されます。自分自身の死を目的とした放火であっても、他人の生命を巻き込む危険を認識していた以上、現住建造物等放火罪の既遂または未遂として厳しく処罰されます。

Q3:現住建造物等放火罪で逮捕された場合、弁護士はどのような弁護活動を行うのですか?
A3:法定刑の下限が懲役5年と極めて重いため、弁護側はまず「建造物自体への引火の有無」を検証して未遂にとどまることを主張するか、放火当時の責任能力(心神喪失・心神耗弱)を争う鑑定留置を求めることが基本方針となります。また、事実を認めている場合は、被害者への全額被害弁償、示談交渉、被告人の更生を支える専門医療機関や親族の監督プランを法廷に提示し、刑法66条の酌量減軽による刑期短縮や執行猶予の獲得に全力を尽くします。

山口 彩花
著者

山口 彩花

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。