映画『魔女の宅急便』のテーマソングを通じて育った世代から、現代のSpotifyを介して彼女のカタログを発見したZ世代に至るまで、その支持層は今や国境と世代を軽やかに飛び越えている。J-POPの礎を築いたレジェンドでありながら、彼女は決して過去の栄光に寄りかかろうとしない。
新しいカルチャーや若いアーティストの台頭に対して、彼女は常に貪欲で開かれた好奇心を保ち続けている。「若い才能に嫉妬する」と公言して憚らない素直さは、権威主義に陥りがちなベテラン勢の中で異彩を放つ。自分を大きく見せる必要性を感じていないからこそ、他者の優れた才能をフラットに称賛できるのだ。
リスナーの痛みに寄り添う普遍的なリリックの数々は、彼女自身が抱く孤独感や人間的な弱さと無縁ではない。強気な仮面の内側に隠された剥き出しの感受性が、デジタルネイティブの若者たちの心をも揺さぶり続けている。