多くの乗客が「おや?」と感じるのが、西明石駅に到着した瞬間、車内案内表示板やアナウンスが「普通」へと切り替わる現象です。これには、国鉄時代から受け継がれた複々線化の歴史と、車両運用上の明確な合理性が存在します。
草津から西明石まで続くJR西日本の長大な複々線区間(4本の線路が並行する区間)は、西明石駅を境に複線(2本の線路)へと絞り込まれます。京都〜西明石間を走る青い帯の4扉通勤電車(207系・321系)による「普通電車(各駅停車)」は、そのほとんどが西明石駅折り返し、もしくは西明石電車区への入出庫を前提にダイヤが組まれています。
つまり、西明石から先、加古川・姫路方面へは各駅停車専用の4扉車が原則として直通しません。その結果、大阪方面から走ってきた3扉クロスシートの「快速」が西明石以西の全駅を各駅に停まることで、地域の普通列車の役割を一手に引き受けているのです。
JR神戸線 快速 西明石から各駅停車 経緯を辿ると、1970年代の山陽新幹線開業やその後の国鉄末期からJR初期にかけてのフリークエントサービス拡充の中で、「新快速が通過する小規模駅の利便性をいかに確保するか」という課題への回答としてこの運行体系が完成しました。大久保や東加古川といった乗降客の急増した住宅都市をカバーしつつ、効率的な車両運用を追求した結果生まれた、極めて合理的な直通システムと言えます。