多くの観光ガイドやネット記事では「朝に桐生や大間々を出発し、トロッコ列車で足尾に向かう」という王道ルートが推奨されています。しかし、この画一的なルート設定こそが、旅行者を深刻な混雑の渦へと巻き込む最大の原因です。
混雑をスマートに回避するための決定打は、敢えて人の流れと逆を行く「逆張りルート」にあります。朝一番の普通列車で一気に終点方面へ抜け、日光側から南下するように観光スポットを巡る手法です。
具体的なモデルルートとして推奨されるのが、午前8時台の普通列車で通洞駅へ直行する行程です。この時間帯の下り普通列車は比較的空いており、座席を確保して車窓風景を落ち着いて鑑賞できます。通洞駅で下車後、徒歩約5分に位置する足尾銅山観光アクセスをクリアし、オープン直後の混み合っていない時間帯に坑道トロッコ列車と歴史展示をじっくり見学します。かつて「日本一の鉱都」として栄え、日本の近代化と公害の歴史を物語る広大な坑道内は、静寂の中で見学してこそその重みを深く実感できます。
昼過ぎからは上り列車に乗車し、水沼駅で途中下車。駅舎内に直結している温泉施設が旅のハイライトとなります。現場で聞こえる水沼駅温泉センター評判を精査すると、「列車を降りて改札を通らず数十秒で湯船に浸かれる唯一無二の利便性」「露天風呂から渡良瀬川のせせらぎと緑を望める心地よさ」が高く評価されています。下り客が押し寄せる夕方前、13時から14時台の時間帯を狙えば、貸切に近い贅沢な湯浴みを満喫できます。
景観の鑑賞においてもネット情報には誤解が存在します。わたらせ渓谷鐵道紅葉見頃は一律ではなく、足尾地区(10月下旬〜11月上旬)から大間々地区(11月中旬〜下旬)にかけて、標高差によって半月以上も色づきのピークが南下します。訪問時期に応じて降り立つ駅を変えるのがプロの鉄則です。
撮影ファンの間で知られるわたらせ渓谷鐵道撮影スポット穴場としては、神戸(ごうど)駅構内の線路沿いに広がる紅葉や、沢入(そうり)駅〜原向駅間の第一渡良瀬川橋梁を俯瞰する高台が挙げられます。また、真冬の12月から2月にかけて実施されるわたらせ渓谷鐵道イルミネーション見どころでは、全17駅のホームに地元住民ボランティアの手で温かな電飾が灯され、冷徹な山里の夜に幻想的な光景が浮かび上がります。