現代のワードローブにおいて、ベースレイヤー(肌着)の果たす役割は以前にも増して大きくなっている。株式会社ファーストリテイリングが展開する「ヒートテック」と「エアリズム」は、アパレル産業における素材テクノロジーの金字塔として世界中の朝を変えた。
しかし、高機能であるがゆえに「着用のタイミング」を誤ると逆効果を招く。特に冬場の満員電車や暖房の効きすぎた室内では、ヒートテックが過剰に発熱し、かいた汗が逃げずに冷えてしまう「汗冷え」のトラブルが散見される。こうした事態を防ぐため、気温10度〜15度前後の端境期には、あえて通気性と速乾性に優れたエアリズムをインナーに仕込み、アウターで防風・保温を行うという逆転の発想を取り入れるビジネスパーソンが急増している。
近年では吸湿発熱のレベルを段階的に選べるシリーズ展開や、極細繊維による滑らかな肌触りのハイブリッド素材も登場している。外気温だけでなく「一日のうちどれだけ暖房環境下にいるか」を逆算してインナーを選び分ける視点が、現代の体温調節には欠かせない。