学校から持ち帰った週末の洗濯物など、付着してから数日以上経過して完全に固まった絵の具は、繊維と顔料が一体化しています。この状態から繊維を傷めずに落とすには、段階的なアプローチが求められます。
固まった絵の具の落とし方として効果的な裏ワザは、「除光液(アセトン含有)」または「高濃度アルコールジェル」を用いたピンポイント浸透法です。色落ちテストをあらかじめ目立たない裏地で行った上で、綿棒に除光液を含ませ、固まった絵の具の表面を叩きます。アセトンは強力な有機溶剤として樹脂を急速に分解するため、浮いてきたところをすかさず乾いた布で吸い取ります。
また、広範囲に広がってカピカピになった汚れには、セスキ炭酸ソーダ水をスプレーした上でラップを被せ、15分ほど密閉してふやかす「湿布法」も有効です。乾燥した汚れに直接摩擦を加えるのではなく、成分を緩めてから物理的に押し出す意識を持つことで、生地の毛羽立ちや傷みを最小限に抑えられます。