アニメ化に際し、さらなる混沌をもたらしたのがキャスティングの妙だ。テレビ東京系列で放送されたテレビアニメ版『銀魂』において、エリザベスの声を担当したのは、なんとアニメ監督の高松信司本人だった。声優ではなく、作品の舵取りを行う監督自身がマイクの前に立つという前代未聞の試みは、アニメ界に大きな衝撃を与えた。
高松監督が声をあてた経緯には、現場のノリと予算、そして独特のユーモアが絡み合っている。言葉を発しないキャラクターが突如として発する渋い低音ボイスは、視聴者に強烈なインパクトを残した。なお、後年のスペシャルエピソードや劇場版などでは、古谷徹や神谷明といった超大物声優がゲストとして「中の声」を担当する豪華なセルフパロディも展開され、声優業界全体を巻き込んだ伝説のネタとして語り継がれている。