自動車修理工場の看板やウェブサイトを見渡すと、「認証工場」「指定工場」という表記を目にします。これらは道路運送車両法に基づいて地方運輸局長が認可した公的資格であり、工場の基本体制を測る重要な指標です。
「認証工場(自動車特定整備事業者)」は、エンジンやトランスミッション、足回りなどの分解整備(特定整備)を行う国家資格整備士と一定基準以上の整備設備を保有している工場です。一方、「指定工場(民間車検場)」は、認証工場の条件に加え、自社内に国の車検場と同等の完成検査ラインと「自動車検査員」を配置し、自社内で保安基準適合証を発行できる設備・人員を整えた高規格工場を指します。
ただし、板金塗装の仕上がり品質においては、資格の種別だけでなく設備の充実度が決定打となります。優良工場を見極める設備チェック項目は以下の3点です。
- 密閉式温風塗装ブースの有無:大気中のホコリやゴミ(ブツ)の混入を完全に遮断し、均一な焼き付け乾燥を行える専用ブースがあるか。
- 三次元フレーム修正機の完備:事故車修理において、ミリ単位で車体骨格(モノコックフレーム)の歪みを計測・牽引修正できる設備があるか。
- 電子制御装置整備認証とスキャンツール・ターゲット標識:先進運転支援システム(自動ブレーキ用ミリ波レーダーや車載カメラ)を脱着・修理した後に必須となる「エーミング(機能調整・校正作業)」を自社で完結できる体制があるか。
現在流通する大半の車両には先進安全装備が標準搭載されています。フロントバンパーやフロントガラスの脱着を伴う修理では、エーミング作業を行わなければ誤作動を起こす危険性があるため、最新スキャンツールと校正環境の有無は最重要確認事項です。