作中でひときわ異彩を放つ白く丸みを帯びた巨躯の神様、それがおしら様です。公式アートブック『The Art of Spirited Away』や各種設定資料によると、おしら様は「大根の神様(農耕・食物の神)」としてデザインされています。頭部には大根の葉を模したかのような冠を載せ、白く瑞々しい肌と赤い前掛けが特徴です。
油屋におけるおしら様は、決して下級の妖異ではなく、丁重にもてなされる上客の神様として扱われています。八百万の神々が日々の疲れを癒やしに訪れる湯屋のなかでも、ゆったりとした威厳と落ち着きを漂わせており、従業員である蛙男たちも敬意を払って接しています。農耕民族である日本人にとって、土中で育ち冬の命を支える根菜(大根)は生命力の象徴であり、おしら様はその豊穣のエネルギーそのものを具現化した存在といえます。