近年、冷蔵庫にすっぽり収まる利便性から絶大な支持を集める小玉スイカ。大玉スイカの未熟なものが小玉スイカなのではなく、品種そのものが異なる独立した果実です。そのため、小玉スイカの美味しい見分け方は大玉とは異なる視点が求められます。
大玉スイカは中心部が最も甘く、皮際に近づくにつれて急激に糖度が低下する傾向があります。これに対し、品種改良が進んだ小玉スイカは「皮が非常に薄く、皮のキワぎりぎりまで糖度が12度前後に保たれている」という際立った特徴を持ちます。小玉スイカを選ぶ際は、皮の厚みがわずか2〜3ミリ程度に見える、表面の張りが強い球体を選んでください。楕円形に変形しているものよりも、真球に近い端正な球体ほど受粉が均一に行われ、果肉内部の糖度ムラが少なくなります。
店頭で見かけるスイカの底付近に、白っぽかったり黄色く変色した斑点があったりして購入をためらった経験はないでしょうか。このスイカの底の黄色い部分の理由は、病気や傷みではありません。栽培期間中、地面に接触していたために日光が当たらず、葉緑素が形成されなかった「土面痕(じめんこん)」と呼ばれる生理現象です。
多くの生産者は収穫の数日から1週間ほど前にスイカを半回転させ、底面にも日光を当てる「玉直し」という重労働を行います。しかし、完全に黄色みが消える前に出荷されるケースもあります。この黄色い部分の面積が広すぎる個体は、玉直しが遅れて日照が不均一だった証左であり、その部分周辺の果肉は糖度が低く水っぽくなりがちです。土面痕が小さく、黄色というよりは全体が深緑色に美しく色づいている個体を選ぶのが定石です。