メディアアクティブ社が提供する「鬼から電話」は、親の「歯磨きをしない」「寝ない」「片付けない」といった日常の困りごとに応じて、架空のキャラクターから電話がかかってくるシミュレーションアプリです。アプリの起動とともに本物の着信画面が再現され、応答ボタンを押すと鬼や妖精、お医者さんなどのアニメーションと音声が再生される仕組みになっています。
なかでも不動の知名度を誇るのが、基本機能として提供されている「赤鬼」の無料コンテンツです。太く唸るような重低音ボイスと、スマートフォンの画面いっぱいに広がる恐ろしい形相は、事情を把握できない未就学児に対して強烈なインパクトを与えます。アプリ内課金によって警察官、サンタクロース、可愛いキャラクターなどのバリエーションを追加できるものの、親が藁にもすがる思いで開くのは、やはり最もインパクトの強い無料の赤鬼であることが大半です。
配信から10年以上が経過した現在では、単純に脅かすだけでなく「約束を守れたら褒めてくれる」ポジティブなコンテンツや、生活習慣の定着をサポートする知育タイアップ動画なども拡充されています。しかし、ユーザーの間で議論の火種となり続けているのは、今なお恐怖喚起型の演出が子どもの行動抑止として使われ続けているという現場の実態です。