『アメトーーク!』で「仮面ライダー芸人」が初放送されたのは2016年8月4日のことでした。深夜枠での放送ながら、ライダー愛をこじらせた芸人たちが放つ熱量は凄まじく、瞬く間に視聴者を虜にしました。その大反響を受け、わずか3カ月後の2016年11月27日には早くも日曜ゴールデンタイムの特番として第2弾が実現。さらに2017年11月26日には第3弾がオンエアされ、いずれも高視聴率と爆発的な反響を記録しています。
この企画が「神回」と評される最大の理由は、単なる作品のダイジェスト紹介にとどまらず、芸人独自の鋭利な観察眼による「昭和と平成の名シーンの再定義」にありました。
昭和ライダー編では、初代『仮面ライダー』における本郷猛(藤岡弘、)の過酷なバイク転倒事故とそこからの復帰劇、ショッカー戦闘員たちの哀愁漂う私生活の描写、さらには『仮面ライダーアマゾン』の大胆すぎる野性味あふれる噛みつき攻撃や、『スカイライダー』のセーリングジャンプ(飛行シーン)における物理法則を無視したシュールな特撮映像が取り上げられました。制作当時のスタッフやスーツアクターが命がけで挑んだ試行錯誤の歴史を、愛のあるツッコミでエンタテインメントへと昇華させた手腕は圧巻でした。
対する平成ライダー編では、ストーリーの重厚さとギミックの多様性がフォーカスされました。『仮面ライダークウガ』における徹底的なリアリズム追求(警察組織との緻密な連携や未確認生命体の恐怖)から、『仮面ライダーW』の「2人で1人の探偵が半分ずつ合体して変身する」斬新なビジュアルコンセプト、そして『仮面ライダードライブ』の「バイクに乗らず車に乗るライダー」というタブーへの挑戦までを網羅。子供向け番組の枠組みを完全に超えたドラマ性をスタジオ全体で熱弁し、特撮に疎かったMC陣やゲストの価値観を根底から覆したのです。