沖縄の精神的な骨格を形作っているのは、数百年にわたり独自の外交と交易を繰り広げた琉球王国歴史文化にほかならない。その象徴である首里城公園では、2019年の火災からの正殿復元工事が着々と進み、職人たちの精巧な技と伝統工芸の粋が結集した姿を間近で観察できるという、今しか体験できない貴重な公開が行われている。
朱塗りの柱一本、瓦の一枚に至るまで、琉球の叡智と人々の情熱が注ぎ込まれるプロセスはまさに圧巻の一言だ。ただ古い建物を眺めるのではなく、歴史の再生現場に立ち会う体験は、旅人に深い感銘を与える。王国時代から受け継がれてきた礼節や自然信仰の精神は、現代の島民の温かなもてなしの心(いちゃりばちょーでー)の根底にも脈々と息づいている。