ヤクザ抗争の現在と分裂劇の真相|最新勢力図と終結へのシナリオ

ヤクザ抗争の現在と分裂劇の真相|最新勢力図と終結へのシナリオ

ヤクザ抗争の現在と分裂劇の真相|最新勢力図と終結へのシナリオの重要ポイントをお届けします。専門的な知識がチェックできます。

ヤクザ抗争が劇的な変化を遂げた最大の契機は、暴力団対策法に基づく特定抗争指定暴力団の現状を見れば明白である。兵庫、愛知、大阪、京都、三重、岡山など、主要な対立拠点となる自治体の公安委員会は、両組織を特定抗争指定暴力団に指定し、3か月ごとの期限延長を幾重にも重ねてきた。

この指定が持つ法的強制力は絶大である。警戒区域内において、以下の行為が確認された時点で警察官は「令状なしで即座に現行犯逮捕」できる権限を持つ。

  • 組事務所に立ち入ること、または維持・管理すること
  • 対立組織の組員や事務所周辺をうろつくこと
  • 指定された区域内で、組員がおおむね5人以上で集合すること
  • 対立組織の組員に対して電話や面会を強要すること

この条項により、伝統的なヤクザの組織運営に不可欠であった「定例会」「盃事」「葬儀・慶弔行事」は実質的に不可能となった。警察庁の壊滅作戦と摘発状況は年々精緻化しており、暴力団幹部が集結しようとすれば、移動の高速道路料金所や集合場所のパーキングエリアで即座に取り囲まれ、職務質問と微罪逮捕の標的となる。本拠地の事務所ビルは分厚い鉄扉で閉ざされ、防犯カメラだけが虚しく稼働するゴーストタウンと化した。まさに法による「完全な窒息死作戦」が功を奏した形である。

中村 さくら
著者

中村 さくら

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。