メディア環境が激変するなか、彼の作品群は紙の雑誌からデジタル空間へとシームレスに拡張を続けている。講談社が運営する公式アプリ・WebプラットフォームコミックDAYSなどを通じて、若い世代が過去の膨大なアーカイブへ瞬時にアクセスできる環境が整った。タイパを重視するZ世代のビジネスパーソンが、リアルな組織論を学ぶテキストとして過去のバックナンバーを読み耽る現象も珍しくない。
さらに映像化の潮流はグローバル配信サービスへと波及している。NetflixやAmazon Prime Videoといった動画配信プラットフォームでのドラマ化や過去作の再配信は、国境を越えたオーディエンスを惹きつけている。日本のサラリーマン文化や独特の企業慣行を描きながらも、根底にあるのは普遍的な人間の野心や脆さであるため、海外の視聴者にとっても極めて上質なドラマとして消費されているのだ。メディアの変遷に柔軟に適応するそのコンテンツ力は、驚異的な生命力を誇る。