「なぜ電池も入っていないのに、毎回ハズレの歯が変わるのか?」という疑問は、子どもだけでなく大人の間でも頻繁に話題にのぼります。内部を検証すると、電気的な制御に頼らない極めて合理的な物理ギミックが組み込まれています。
この玩具の心臓部には、「回転式カム(突起付きディスク)」と「ラチェット&スプリング機構」が採用されています。仕組みの全貌は次の通りです。
大きく開けた上アゴを限界まで押し下げると、アゴの根本にあるフックが内部のラッチ(留め金)に引っかかり、強力なメインスプリングの張力を保ったままロックされます。この開く動作に連動して、内部の回転プレートが一定角度だけランダムに回転します。このプレート上にある「トリガー突起」が、いずれか1本の歯の真下にセットされる構造です。
セーフの歯を押したときは、単に個別のスプリングが縮んで歯が引っ込むだけで、アゴのロックには干渉しません。しかし、突起が真下に位置している「ハズレの歯」を押し込んだ瞬間、トリガーがメインラッチを直接跳ね上げ、ロックが一瞬で解除されてバネの力で勢いよくアゴが閉じます。
電子回路を一切使わず、純粋なギアとテコの原理だけで「完全なランダム性」と「半永久的な稼働」を実現している点は、トイ工学の観点からも非常に優れた設計と評されています。