世界中の老舗興行が破綻や方向転換を迫られる中、日本の「木下大サーカス」の力強い足取りは特筆に値する。1902年の創業から120年以上の歳月が流れた今もなお、年間を通じて日本各地の特設会場で幕を上げ、年間100万人を超える観客を動員し続けている。
その強靭さの秘密は、泥臭いまでの「現場主義」と時代の変化に応じた徹底的な安全対策の融合にある。爆音を響かせるバイクの球形ケージショーや圧巻の空中ブランコといったクラシックなスリルは保持しつつ、車椅子対応の客席配置や完全空調システムを導入。ファミリー層が安心して足を運べる空間づくりを磨き上げた。デジタル画面では決して得られない「命がけの躍動」を間近で体感できる場として、老若男女を惹きつけ続けている。