かつては松本平一帯のほぼ全戸の軒先を飾っていた七夕人形ですが、高度経済成長期以降の住宅構造の変化やアルミサッシの普及、少子化に伴い、一時期はその姿を大きく減らしました。「軒下がなく吊るせない」「近隣の目が気になる」といった現代特有の住宅事情が、民俗行事の継続に影を落とした時期がありました。
しかし、地域の文化遺産を再評価する機運が高まったことで、状況は新たな展開を見せています。松本市中町通りなどの歴史的景観地区では、毎年7月下旬から8月8日頃にかけて、商店街ぐるみで色鮮やかな七夕人形とともにがったぼうずを一斉に飾る取り組みが定着しました。
また、市内の公立保育園や小学校の地域学習プログラムにおいて「手作りがったぼうず」のワークショップが定期開催されており、子どもたちが自作の人形を持ち帰ってベランダに飾る事例が増加しています。伝統をそのまま保存するだけでなく、現代の住環境や教育現場に適応した形で息を吹き返しているのが2026年の実態です。