愛子さまの中学生活の集大成として、後世まで語り継がれることになったのが、2017年3月22日に宮内庁から全文公表された卒業記念文集の作文「世界の平和を願って」です。皇族が中学生の段階で自らの思索を綴った作文がメディアに全文開示されるのは異例中の異例であり、その文章力と精神性の深さは日本中を震撼させました。
作文は、研ぎ澄まされた文学的な書き出しから幕を開けます。
「卒業をひかえた冬の朝、急ぎ足で学校の門をくぐり、ふと空を見上げた。決して当たり前ではない、この穏やかな日常。平和を願う心は、あの日、広島の地で強く芽生えた。」
これは中学3年生の5月に訪れた広島への修学旅行での体験に基づいています。原爆ドームを目の当たりにし、平和記念資料館で展示された遺品や被爆者の手記に触れられた愛子さまは、展示されていた「原爆の子の像」の佐々木禎子さんの折り鶴や、焼け焦げたお弁当箱に注がれた親子の愛情に深く心を震わせられました。
作文の中で特に識者をうならせたのは、単なる戦争の悲惨さの追悼にとどまらず、「平和とは何か、自分たちに何ができるのか」という実践的倫理へと昇華させた点です。愛子さまは次のように綴られています。
「平和は、人任せにするのではなく、一人ひとりの思いや責任ある行動で築きあげていくものである。」
日常のささやかな思いやり、互いを尊重する態度が国家間の平和へとつながるという洞察は、15歳の中学生が到達した境地として極めて高く評価されました。この作文が公表されるや否や、新聞各紙の一面やテレビ特番で大々的に報じられ、ネット上でも「涙が止まらない」「皇室の平和への祈りが次世代に完全に継承されている」と称賛の声が鳴り響きました。