ネット上のガンダム議論において、今なお多くのユーザーを驚かせているのが「レジェンドガンダムはもともとアスラン用の機体だった」という機体設定の事実です。当時のアニメ本編および公式設定資料によると、ザフト軍最高評議会議長ギルバート・デュランダルが主導した次世代フラッグシップ機開発計画において、シン・アスカには前衛特化型のデスティニーガンダムが、そしてアスラン・ザラには広域制圧型のレジェンドガンダムが与えられる予定でした。
作中第42話において、デュランダル議長自らがアスランに対し、デスティニーとレジェンドのロールアウトを告げ「君たちにこの機体を託したい」と言葉をかけるシーンが克明に描かれています。前作でジャスティスガンダムを駆り、遠隔操作武装「ファトゥム-00」を巧みに操ったアスランの卓越した空間把握能力と戦術眼を見込んでの配備計画でした。コックピットの操作系も、アスランの乗機セイバーガンダムや前大戦機のデータをフィードバックして調整が進められていたとされています。
しかし、デュランダル議長が掲げる「デスティニープラン」の真意と欺瞞を察知したアスランは、ザフトからの脱走を決断。この予期せぬ裏切りによって空白となったパイロットシートに座ることになったのが、議長への絶対的忠誠を誓うレイ・ザ・バレルでした。
レイ・ザ・バレルは、前大戦でプロヴィデンスを操り世界を混沌へと導いたラウ・ル・クルーゼと同じ遺伝子を持つクローン体です。テロメアの短縮による肉体の限界と戦いながら、自らを「議長が描く理想の世界を実現するための道具」と定義していたレイにとって、アスランの裏切りによって空いたレジェンドへの搭乗は、名誉であると同時に呪縛に満ちた宿命の継承でもありました。