8万人近い観客が一斉に集う現場では、退場時や交通アクセスにおいて都市型スタジアム特有の過酷な現実が待ち構えています。
最大1時間半に及ぶ「規制退場」の洗礼
終演後に必ず実施されるのが、スタンドのアッパー層や特定ゲートから順に行われる国立競技場コンサート規制退場です。外周の混雑による将棋倒し事故を防ぐため、アナウンスによる厳格なコントロールが行われます。運悪く退場順が最後になったブロックでは、終演のアナウンスからスタジアム敷地外に出るまでに1時間から1時間半以上座席で待機を余儀なくされます。21時終演の場合、敷地を出られるのが22時半近くになるケースも珍しくありません。新幹線の最終便や終電の時間を設定する際は、この待機時間を織り込んだスケジューリングが絶対に欠かせません。
周辺駅の入場規制と「音漏れ参戦」を巡る警備の強化
最寄り駅は、都営大江戸線の「国立競技場駅」、JR総武線の「千駄ヶ谷駅」「信濃町駅」、東京メトロ銀座線の「外苑前駅」と複数存在します。しかし、終演と同時に数万人がこれらの駅へ殺到するため、各駅の改札口前には長蛇の列ができ、厳しい入場制限が敷かれます。少し歩いて表参道駅や青山一丁目駅、北参道駅まで徒歩で移動する方が結果的に早く電車に乗れるケースも多いのが実情です。
また、新国立競技場の開口型屋根の構造上、スタジアム外部の明治公園や神宮外苑周辺にはステージの音がかなりクリアに響きます。これを目当てにした国立競技場ライブ音漏れ参戦と呼ばれるファンが外部に密集する現象が過去の公演でも相次ぎました。しかし現在では、雑踏事故防止や近隣住民の通行確保のため、公園エリアへの滞留禁止や民間警備員・警察による厳重な誘導体制が敷かれており、周辺での滞留は原則として厳しく規制されています。
遠征組を悩ませる「周辺ホテルアクセス」の争奪戦
地方からの遠征組にとって、宿の確保は公演決定の瞬間に始まる時間との戦いです。国立競技場周辺ホテルアクセスを考慮すると、千駄ヶ谷や信濃町周辺のビジネスホテルは公演発表直後に瞬く間に満室となり、宿泊料金も通常の2〜3倍近くまで高騰します。スマートな遠征戦略としては、大江戸線沿線の「新宿・六本木・門前仲町」エリアや、総武線沿線で乗り換えなしでアクセスできる「飯田橋・御茶ノ水・錦糸町」周辺のホテルを素早く抑えることが賢明な防衛策といえます。