日本のチロル下栗の里の全貌|傾斜38度の絶景とジブリ伝説の真相

日本のチロル下栗の里の全貌|傾斜38度の絶景とジブリ伝説の真相

日本のチロル下栗の里の全貌|傾斜38度の絶景とジブリ伝説の真相にまつわる最新トピックを詳しく紐解きます。

下栗の里が「日本のチロル」と呼ばれるようになった発端は、オーストリア・チロル地方に詳しい地理学者の故・市川健夫氏(信州大学名誉教授)が、南アルプスの山容と急斜面に民家が点在する景観の類似性に感嘆し、命名したことに由来します。ヨーロッパのアルプス山脈を彷彿とさせる壮大な山岳美が、この小さな集落の代名詞となりました。

平地が極めて少ない険しいV字谷において、先人たちがなぜこれほどの急斜面に定住したのか。その理由は、自然環境のシビアな選択にあります。谷底は日当たりが悪く、夜間に冷気が滞留して厳しい霜害が発生しやすいのに対し、標高1,000メートル付近の南東向き斜面は「日照時間が非常に長く、霜が降りにくい温暖な斜面温暖帯」を形成します。

作物の生育に有利な陽当たりを確保し、土砂崩れを防ぐために石垣を築きながら暮らす――下栗の里の景観は、単なる観光用の美観ではなく、過酷な自然と共生するために編み出された生活の知恵の結晶です。

山下 哲也
著者

山下 哲也

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。