解散権は「首相の専権事項」と呼ばれる。この強力なカードをいつ、どのように切るかによって、国家の行方は大きく左右される。現在、野党陣営は政策課題での追及を強めているものの、いざ選挙となれば全国の選挙区で擁立作業が間に合っていない地域も少なくない。
「まさか今、打ってくるはずがない」。この心理的隙間こそが、政権側が狙う最大のターゲットだ。野党が国会論戦での勝利に酔いしれ、内政課題の追及に没頭している裏で、与党の選挙対策委員会は密かに全国の情勢調査を繰り返し、公認候補の選定を急ピッチで進めているという証言もある。
攻め込んでいるはずの野党が、実は包囲網の中に誘い込まれているかもしれない。政治の表舞台で見える攻防と、舞台裏で進行する心理戦のギャップは、日に日に広がっている。