パノラマタワーが運行を止めて以降、現地を訪れた旅行者や地元住民はどのような思いを抱いているのでしょうか。観光レビューやSNS、地元コミュニティにおける生の声を取材・分析すると、昭和のノスタルジーと現在の満足度との間に興味深いギャップが見えてきます。
40代〜60代の世代からは、「子どもの頃、家族で弥彦に来ると必ず乗った。徐々に上がっていくキャビンの中で、米粒のように見える越後平野と日本海の青さに息を呑んだ記憶がある」「久しぶりにドライブで訪れたら静止したままで、時代の移り変わりを実感して少し寂しくなった」といった回顧の言葉が数多く聞かれます。回転しながら上昇するという独特の浮遊感は、当時の人々にとって最先端のエンターテインメントでした。
一方、近年弥彦山スカイラインを利用して山頂駐車場を訪れた20代〜30代の若年層やトレッキング愛好者の反応は対照的です。「パノラマタワー自体は動いていないけれど、展望台のテラスに立つだけで視界180度以上の日本海と佐渡島が広がり、十分に絶景を堪能できた」「弥彦山クライミングカーやタワーの無機質な造形が、むしろ青空に映えて独特のエモい景観を作り出している」といった、景観そのものをポジティブに捉える評価が圧倒的多数を占めています。
展望アトラクションとしての役目を終えつつあっても、山頂自体の眺望ポテンシャルが損なわれたわけではないことが現場のリアルな証言から裏付けられます。