遠野なぎこさんの家族構成は、両親と弟、妹の5人家族でしたが、両親は遠野さんが幼い頃に離婚しています。母親が親権を持ち女手一つで子どもたちを育てる形となりましたが、家庭内はいわゆる典型的な「機能不全家族」に陥っていました。
2013年に出版された告白本『一度だけ』(白夜書房)では、それまで誰にも明かせなかった母からの虐待、弟や妹たちとの過酷な生活環境、そして境界性パーソナリティ障害や強迫性障害に苦しんだ半生が包み隠さず綴られています。自著の出版は、美化されがちな「母娘の絆」という社会通念に一石を投じ、毒親サバイバーからの絶大な反響を呼びました。
家庭内で長女としての役割を過剰に背負わされ、一家の経済的支柱でもあった遠野さんは、母親からの搾取と精神的暴力の最大の標的となっていました。弟や妹もまた家庭環境の犠牲者であり、きょうだい間にも深い心の傷が刻まれることとなったのです。