秋口になると、ローゼルは巨大化する。放任すれば軽く2メートルを超え、台風の風にあおられて倒伏するトラブルが後を絶たない。日本家庭園芸普及協会の指導員たちも口を揃えるように、頑丈な支柱立ては梅雨明け前の必須作業だ。四方に支柱を立てて麻紐で囲う「あんどん仕立て」や、中央の太い支柱に主枝をしっかりと固定するリング支立てが推奨される。
肥料の与え方にも独自の呼吸がある。初期段階でチッ素肥料を与えすぎると、葉ばかりが青々と茂って花が咲かない「木ボケ」を起こしやすい。植え付け時の元肥には緩効性肥料を控えめに施し、開花が始まる8月下旬以降にリン酸とカリ分を多く含む液肥を10日に1回程度投入する。農業・園芸産業の現場でも実践されているこの肥料コントロールが、身の詰まった鮮烈な紅い実を鈴なりにする鍵だ。