厚生労働省の諮問機関である社会保障審議会では、5年ごとに行われる「年金財政検証2026」の最新データを基に、将来の給付水準や財政見通しの分析が進められてきた。非公開の議論で提出された試算結果によると、マクロ経済スライドによる給付水準の調整が長期化するなか、平均寿命の伸長に伴い70代後半以降まで受給を遅らせた場合のモデルケースが詳しく検証されている。
試算の真相を紐解くと、受給開始を80歳まで遅らせた場合、月々の受給額は65歳開始時点と比べて最大で84%以上増額される計算になる。だが、この数字はあくまで80歳まで健康で生きていることを前提とした計算上の理論値に過ぎない。病気や介護のリスクが高まる80代において、高額な年金額を享受できる人間がどれほど存在するのか、審議会内部でも異論が噴出している。