若い頃の遠藤憲一といえば「とにかく怖くて近寄りがたい」印象が強かったが、そのイメージを大きく変えたのが、妻であり所属事務所の社長・マネージャーでもある昌子さんの存在だ。30代後半で結婚した後、妻の客観的かつ厳格なアドバイスによって、彼は徐々に悪役以外の役柄へと足場を広げていく。
「怖さの裏にあるお茶目さ」や「情けない父親役」など、人間味あふれるコメディリリーフへの挑戦は、彼の役者人生を劇的に変えた。恐ろしい若手悪役俳優だった男が、日本中から愛される名優へと脱皮した裏には、夫婦ふたり三脚で歩んだ血のにじむような自己改革があった。