このブロンソンCMが遺した「男の世界」の精神性は、昭和の枠を飛び越え、平成・令和のポップカルチャーにも色濃く受け継がれています。その最たる例が、荒木飛呂彦氏による名作漫画『ジョジョの奇妙な冒険 Part7 スティール・ボール・ラン』に登場する敵キャラクター、リンゴォ・ロードアゲインです。
リンゴォが操るスタンド能力の名称は、まさにそのものズバリの「マンダム」。腕時計の秒針を6秒だけ巻き戻す能力を持ち、彼自身も「真の男の世界」という独自の美学と倫理観に殉じる孤高のガンマンとして描かれています。ビジュアルも顎髭をたくわえた渋い風貌であり、ブロンソンの面影を強く感じさせます。
荒木氏自身が昭和カルチャーへの深い造詣を持つことで知られていますが、リアルタイムでブロンソンを知らない20代・30代の読者層が「ジョジョの元ネタを辿って1970年のCMに辿り着き、その迫力に圧倒される」という逆転現象がSNS上で幾度となく観測されています。記号としての「うーん、マンダム」が、世代を超えて美学の代名詞として機能し続けている証拠です。