元大阪府知事であり弁護士の橋下徹氏は、各種メディアにおいて「私人逮捕は例外中の例外であり、一般人が安易に手を出すべきではない」と繰り返し警鐘を鳴らしてきた。法的手続きを踏まない身柄拘束は、一歩牙をむけば重大な人権侵害につながるからだ。
過去の最高裁判所の判例においても、私人による身柄拘束における「相当性」の範囲はきわめて厳密に判断されている。例えば、痴漢の容疑者を追い詰める際に衣服を破る、あるいは路上で首を絞めるような過度な暴力を行使した場合、裁判所は私人逮捕の違法性阻却事由を認めず、拘束した側に有罪判決を下している。現場での判断ミスが、人生を狂わせる致命的な罠となり得るのだ。