コスメによるアプローチにおいて、医薬部外品としてシワ改善の有効成分認可を受けている「純粋レチノール」「ナイアシンアミド」「ニールワン」の3大成分は外せません。特にほうれい線に対するレチノール美容液の効果は、真皮の線維芽細胞に働きかけてヒアルロン酸の産生を促し、表皮のターンオーバーを正常化させる点において確固たるエビデンスを誇ります。
東京リンクルクリニック院長の沖津茉莉子医師ら専門医の発表資料によると、比較的初期の浅いほうれい線や、皮膚のハリ低下によって溝の縁が目立っている肌状態であれば、純粋レチノールや高浸透型ペプチドの継続塗布によって、約8〜12週間でキメが整い「影が薄くなった」と実感できるケースが確認されています。
ただし、化粧品の効能限界を見誤ってはなりません。薬機法の範囲内であるスキンケアが到達できるのは「表皮から真皮浅層」までです。皮下脂肪の下垂や骨萎縮という深層の構造変化に対して、外用薬だけで溝を物理的に押し戻すことはできません。「これ以上の進行を防ぐ防波堤」としてのスキンケアと、「構造を立て直す介入」の役割を冷徹に分ける視点が不可欠です。