現在、日本国内で「八月一日」姓を保持している世帯は、わずか10世帯未満、人数にして数十人程度と推計されている。全人口の割合からみてもトップクラスの稀少性だ。
最大の問題は、この極少数の名字が急激な少子高齢化によって途絶えようとしている点にある。地方の過疎化と相まって、希少な苗字を持つ家系が一人っ子や未婚のまま高齢化を迎えるケースが増加。後継者が不在のまま家名が途絶える「苗字の絶滅」が、日本全国で静かに進行している。
2026年に公表された人口動態関連の調査によれば、過去50年間で国内の希少苗字の約15%が既に自然消滅したか、あるいは消滅寸前の状態に陥っているという。八月一日姓も例外ではない。一世代の選択によって、千年以上続いてきた言葉の記憶が永遠に失われる瀬戸際に立たされている。