大物有名人の子として生まれることは、芸能界において両刃の剣だ。顔と名前が売れやすい反面、常に世間の冷ややかな目や比較に晒される。趣里もまた例外ではなかった。幼少期からイギリスへ渡り本格的にクラシックバレエに打ち込んでいたが、度重なる怪我で断念。帰国後、自らの表現手段として見出したのが演技の世界だった。
彼女が選んだのは、親の知名度に頼る道ではない。実力派がひしめく芸能事務所トップコートに身を置き、オーディションを自力で勝ち抜く泥臭いスタイルだった。脇役として舞台や映画で経験を積み、狂気をはらんだ役から可憐な少女まで演じ分けるカメレオンのような演技力は、次第に映画監督やドラマ関係者の間で話題を呼ぶようになる。