インターネット上の掲示板やSNSでは、定期的に「IQ200以上の日本人ランキング」といったまとめ情報が拡散され、政治家や有名タレント、歴史上の文豪の名が並ぶことがある。しかし、メディア報道のファクトチェックと認知測定の学術基準に照らし合わせると、そこには大きな誤解と誇張が存在している。
高知能者の国際的同好会であるJAPAN MENSA 最高IQやネット上の言説に関して、まず押さえるべきは「現代の標準化された知能検査の測定限界」である。成人向けに広く用いられるウェクスラー成人知能検査(WAIS-IV)において、測定可能なIQの上限は概ね160(標準偏差15)に設定されている。統計学上、IQ160は全人口の上位0.003%(約3万人に1人)を意味し、それ以上の数値を一般的なテストで正確に算出することは統計的に不可能とされている。
ネット上で流布される「織田信長のIQは200」「夏目漱石のIQは180」といった記述は、後世の研究者や愛好家が業績から主観的に推計したビネー式の比率IQ(精神年齢÷生活年齢×100)に基づく仮説に過ぎない。また、MENSAの入会基準は「全人口の上位2%(WAIS換算でIQ130以上)」であり、会員全員がIQ160や180を超えているわけではない。これら日本一頭のいい人 噂の真相を整理すると、ネット上の数値の多くは都市伝説の域を出ておらず、実証された記録として信頼に足る現代の日本人はごく限られているのが実態である。