トリオの中でも、役者として圧倒的なキャリアと実績を積み上げているのが角田晃広だ。彼の出世作となった『半沢直樹』で見せた、組織の板挟みに苦しむ銀行員役の焦走と悲哀は、日本中の視聴者の胸を打った。小心者でありながら、土壇場で人間としての誇りを見せる葛藤の表情は、ドラマ史に残る名演と言っていい。
さらに坂元裕二脚本の『大豆田とわ子と三人の元夫』では、器が小さく愛おしい元夫・佐藤鹿太郎役を好演。器用さと滑稽さ、そして切なさを同居させた複雑な人物像を見事に表現してみせた。角田の演じるキャラクターには、誰もがどこかで見たことのある「人間の弱さ」が詰まっている。だからこそ、視聴者は彼から目を離すことができないのだ。