ネットで見かける「ベクレてる」とは一体どんな意味なのか。結論から言えば、食品や物質、特定の地域が放射性物質によって汚染されている状態を俗に指す動詞「ベクれる」の進行形・形容詞的表現です。
言葉の語源となっているのは、放射能の強さ(1秒間に崩壊する原子核の数)を表す国際単位である「ベクレル(Bq)」。フランスの物理学者アンリ・ベクレルにちなんだ学術用語ですが、事故直後の混乱の中で語尾に「る」が付けられ、俗語化しました。
このスラングが世間に決定的なインパクトを与え、急速に定着したきっかけは、当時俳優として活動し、脱原発デモの旗振り役を担っていた山本太郎氏(現・れいわ新選組代表)の発信です。2011年10月、山本氏が自身のTwitter(現X)アカウントにおいて、ケータリングや食事の選択に関連して「今日のお昼は〜ベクレてる」といった趣旨の投稿を行ったことが発端となりました。
この投稿は瞬く間に2ちゃんねる(現5ちゃんねる)の「ニュース速報+」や「なんでも実況J(なんJ)」へと転載され、「放射能汚染を茶化している」「被災地への配慮を著しく欠いている」として大規模な批判を浴びました。しかしネット住民の間では、語感のキャッチーさも手伝って格好のネットスラングとして消費され、東日本各地の農産物や食品を嘲笑・攻撃するためのラベリングとして独り歩きを始めたのです。