「桜だと思ったら杏?」杏と桜の決定的な違いと一瞬で見分ける鑑別法

「桜だと思ったら杏?」杏と桜の決定的な違いと一瞬で見分ける鑑別法

「桜だと思ったら杏?」杏と桜の決定的な違いと一瞬で見分ける鑑別法に関する基本知識を徹底的にまとめました。要点を確実におさえることができます。

「桜だと思ったら杏だった」という現象が起きる背景には、両者が極めてよく似た五弁の薄桃色の花をつける点にあります。しかし、植物観察のプロが最初に着目するチェックポイントを押さえれば、識別はわずか3秒で完了します。

もっとも明白な識別点は花柄の長さです。桜(代表品種であるソメイヨシノなど)は、枝から緑色の細長い軸(花柄)が2〜3cmほど伸び、その先に複数の花がぶら下がるように房状になって咲きます。これに対して杏は、花柄が極端に短く数ミリ程度しかありません。まるで枝に直接花がペタッと張り付いているように咲くのが杏の花の特徴です。

決定打となる第2のポイントがガクの反り返りです。花の根元を支える赤褐色の萼(ガク)に注目してください。桜のガクは花びらにピタリと寄り添うように密着していますが、杏は開花が進むにつれてガク片が外側(後方)へ向かって強く反り返るという固有の生態を持ちます。花を横や後ろから見た際、ガクが反り返っていれば、その樹木は桜ではなく杏であると断定できます。

さらに、花びらの先端の形状と幹の模様と樹皮の違いにも明確な差異が現れます。桜の花びらの先端にはトレードマークとも言える「V字の切れ込み」が入っていますが、杏の花びらの先端は丸みを帯びており、切れ込みは一切ありません。樹皮を見ても、桜には横方向に走る特有の縞模様(皮孔)が見られ艶があるのに対し、杏の樹皮は縦方向に不規則な深い亀裂が入り、ゴツゴツとした無骨な質感を持っています。

橋本 菜々子
著者

橋本 菜々子

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。