現在の駅名からは想像がつきにくいですが、1927年の小田原急行鉄道開通当初、この駅は「大根(おおね)駅」という名称でした。野菜のダイコンを連想させるユニークな名前ですが、そのルーツは極めて由緒ある歴史に基づいています。
かつてこの一帯は中郡大根村(おおねむら)と呼ばれており、鎌倉時代から続く古い地名でした。大根の語源については、丹沢の湧水に恵まれた豊かな土地を指す「大嶺(おおみね)」が転訛した説や、アイヌ語の地形用語に由来する説など諸説が存在します。
その後、1955年に大根村が秦野市へ編入され、1963年に東海大学湘南キャンパスが開設。学生街として飛躍的な発展を遂げる中、大学側や地域住民からの強い要望を受け、1987年3月に現在の「東海大学前駅」へと改称されました。現在でも駅周辺の農協支所や橋の名前などに「大根」の文字が残されており、地域に息づく歴史の深さを物語っています。