知恵袋やX(旧Twitter)などのオンライン空間では、「牛乳を飲むと骨がもろくなる」「日本人は乳糖不耐症だから乳製品を一切摂るべきではない」といった極論が定期的にバズを生み出しています。しかし、栄養疫学の専門調査や医療機関の見解に照らすと、これらの多くはエビデンスの切り取りや誤認に基づいています。
現場取材や医師への聞き取りを通じて見えてくるのは、以下のような「情報の歪み」です。
「牛乳を飲むとお腹がゴロゴロする」という乳糖不耐症の症状は確かに日本人の一定割合に存在しますが、これは消化酵素(ラクターゼ)の活性低下によるものであり、動脈硬化やがんのリスクを直接高める毒性とは全く別問題です。温めて少しずつ飲む、あるいは発酵過程で乳糖が分解されているヨーグルトや熟成チーズを選ぶことで、消化器官に負担をかけずに乳脂肪と栄養素を摂取できます。
ネット上に氾濫する「〇〇は毒」「完全排除すべき」という白黒思考の健康言説は、分かりやすさゆえに拡散しやすい傾向にあります。しかし、ヒトの体は単一の栄養素だけで健康が左右されるほど単純ではありません。極端な言説に踊らされず、食品全体のバランスを見極める姿勢が不可欠です。