姫という現象は、決してここ最近降って湧いた話ではない。ルーツを辿れば、かつての大学サークルや同人活動の現場に行き着く。かつてガンダムやSFを熱弁していた岡田斗司夫のようなオタク論客たちの時代や、庵野秀明が若き才能を爆発させたDAICON FILMの黎明期、オタクコミュニティは圧倒的な男性社会だった。女性メンバーの存在自体が稀少であり、大切に扱われる土壌が必然的に作られていたのだ。
しかし、アニメ・ゲーム産業が巨大化し、オタク文化がメインストリームへと昇華するにつれ、構造に変化が起きた。ただ「珍しい」というだけでは姫になれない。多様化したオタクコミュニティの中で、いかに男性心理をコントロールし、己の居場所を確保するかという生存戦略へと変化を遂げたのだ。