2007年の日本シリーズは、レギュラーシーズン2位からクライマックスシリーズを勝ち上がった中日ドラゴンズが、前年の覇者・北海道日本ハムファイターズを圧倒する展開を見せていました。対戦成績3勝1敗と王手をかけて迎えた第5戦、本拠地ナゴヤドームの大観衆の前に立ったのが山井大介投手でした。
キレ味鋭いスライダーと手元で伸びるストレートを完璧にコントロールした山井投手は、日本ハム打線に一切の付け入る隙を与えません。1回から8回まで打者24人をパーフェクトに抑え込み、奪った三振は4つ、内野ゴロ11個、外野フライ9個。球数はわずか86球という圧巻の投球内容でした。打線が2回裏にタイロン・ウッズ選手の内野ゴロの間に挙げた虎の子の1点を守り続け、球場全体が「プロ野球史上初となる日本シリーズでの完全試合達成」という歴史的瞬間を確信していました。
しかし、8回裏の中日の攻撃が終わった瞬間、ナゴヤドームのスコアボードに信じられない光景が映し出されます。9回のマウンドに向かったのは山井投手ではなく、背番号13の守護神・岩瀬仁紀投手でした。どよめきと悲鳴が入り混じる異様な空気の中、伝説の継投劇が幕を開けたのです。