解散後、両者が歩んだ道は対照的でありながら、それぞれのサバイバル能力の高さを証明しています。
テレビ界の「最強の黒幕的MC」へ進化した蛍原徹
解散当時、「宮迫がいなければ『アメトーーク!』は成り立たないのではないか」と危惧する声が一部の業界関係者やネットユーザーから上がっていました。しかし、その懸念は杞憂に終わりました。
蛍原氏は、ゲスト芸人たちの個性を引き出す「受けの美学」をさらに洗練させました。前に出過ぎず、ひな壇の若手や中堅が暴れやすい安全地帯を作り出す司会進行は、制作サイドから絶大な信頼を集めています。『アメトーーク!』のみならず、競馬中継番組や関西ローカル番組、さらには自身のYouTubeチャンネル『ホトゴルフ』において、プロゴルファーや著名人との自然体なセッションを配信し、従来の「お笑いコンビの地味な方」というパブリックイメージを完全に払拭しました。吉本興業という巨大な組織のバックアップを受けながら、極めて堅実なキャリアを築いています。
波乱万丈のインフルエンサー兼実業家、宮迫博之の勝負手
一方の宮迫博之氏は、地上波テレビというメインストリームを失った後、持ち前のバイタリティで自らの経済圏を切り拓いてきました。YouTubeチャンネル『宮迫ですッ!』は一時的なブームの沈静化や再生数の波を経験しつつも、著名人との対談企画や音楽活動などでコアなファン層を維持しています。
特筆すべきは、東京・渋谷に構えた焼肉店「牛宮城(ぎゅうぐうじょう)」のプロデュースです。オープン直前の試食会における大炎上から、メニューの全面刷新、人気YouTuberヒカル氏との関係性の変遷などを赤裸々にコンテンツ化し、予約の取れない人気店へと押し上げた手腕は、従来のタレントビジネスの枠組みを超えたものと言えます。さらに近年では小劇場での演劇出演や自主興行など、自らの原点である「演技」「表現」への回帰を図っており、独立系プレイヤーとしての生存戦略を確立しています。