世界中の流通硬貨を見渡しても、日本の500円玉は極めて特殊な立ち位置にある。まず、市販されている一般流通硬貨として「1枚の購買力」がトップクラスに高い。欧米の主要硬貨と比較すると、そのサイズと価値のバランスがよくわかる。
EUの2ユーロ硬貨は直径25.75ミリで重量8.5グラム。アメリカの最高額流通硬貨である25セント(クォーター)は直径24.26ミリで重量5.67グラムだ。500円玉は直径26.5ミリ、重量7.1グラムであり、2ユーロ硬貨より一回り大きく、手に持ったときの存在感は世界基準で見ても際立っている。
高額な硬貨だからこそ、偽造グループの標的になりやすい。それゆえに26.5ミリの枠組みの中で世界最先端の防犯性能を維持し続ける必要があったのだ。